コロナ第一波下でのテレワークを振り返る
2020年7月の
公益財団法⼈ ⽇本⽣産性本部の調査によれば、
2020年5月と比較し、
テレワークで働いている人は減っています。
東京地方においては、
通勤電車もひと時よりは随分多くの乗客がいますし、
営業自粛で閉まっていた飲食店も
一部を除いて営業を再開しました。
しかしながら新規感染者数は、
ここにきて増加傾向が続いています。
そこで第二派到来(既に到来している?)に備え、
第一波で実施されたテレワークの状況を振り返り、
今後の幸せな働き方を考えていきます。
テレワークで、仕事がはかどったのか?
コンピューターメーカー「レノボ」が
2020年5月に実施した国際的な調査では、
「在宅勤務での生産性がオフィス勤務より下がる」と
回答した割合は世界平均13%に対して
日本は40%と突出して高い数値になりました。
生産性が低い理由については、
IT機器やソフトウェアの購入と関連付けています。
1点目は「誰が購入したのか?」という点です。
コロナ禍で在宅勤務時に
必要なIT機器やソフトウェアの購入に関して、
「会社が全額を負担した」と答えた
日本人は31%で、10カ国中最低でした。
2点目は「購入金額」です。
IT機器・ソフトウェアの
「一人当たり購入金額が首位の
ドイツは381ドル」だったのに対し、
日本では自己負担の比率が高い影響もあり132ドルと、
調査対象10カ国平均の半分にも満たず
最下位だったそうです。
(※1)
内閣府の調査でも
「取引先とのやりとり(機器・環境の違いなど)」
「テレビ通話の質の限界」を
テレワークで不便と感じた点と回答した人が
一定数見られることからも、
ITの不足が
スムーズなテレワークの推進に多少なりとも
足かせになったことは否めないでしょう。
しかし、7月の調査では、5月と比較して
「自宅での勤務で効率が上がった」
と答えた割合は50%に上っており、
テレワークへのノウハウが
蓄積されつつある様子がみて取れます。
日本の労働生産性は、
長らく世界の先進国と比較して
劣後した状態に張り付いています。
2か月という短期間、
かつテレワーク経験者という
限定された調査ではありますが、
生産性が上がったというデータはとても新鮮に感じます。
テレワーク経験者にみられる3つの志向
調査によればテレワーク経験者には
3つの特徴的な志向があるそうです。
- 仕事より生活を重視する
- 地方移住に興味をもつ
- 職業選択・副業について考える
「生活重視」と「職業選択・副業」の設問では、
特に大きな差異がみられます。
通勤時間等がなくなり、発生した時間の余裕を
「生活」や「新しいキャリア」に
振り向けている様子が垣間見られます。
これからの幸せな働き方
働き方のスタイルはさまざまですが、
経営側は労働の成果が上がればよいですし、
働き手は、やりがいとお給料とプライベート含め
「幸せを実感」できればよいはずです。
こうした中、
「今回の感染拡大を受けて、
社会とのつながりの重要性をより意識するようになった」と
39%の人が回答したことは注目に値するでしょう。
なぜなら、最近の複数の調査で、
幸せには
「世の中の役に立っていると実感できること」
「公共性の高い仕事に関わること」
が大きく関係していることが、報告されているからです。
「社会とのつながりの重要性を意識するようになった」から
「一歩ふみこんで、アクションすること」が
幸せへの一つの道筋なのかもしれません。
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参考文献
参考
※1#SHIFTのHP「在宅勤務は生産性が低い」と感じている日本人は40%、その理由は?https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2007/19/news016.html
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