~「礼儀正しさ」の効用と、3つの心がけ~ 日米の研究結果から導き出された、今学ぶべきスキルとは?
リクルートワークスの辰巳哲子氏による
「英語、パソコン、資格……飛びつく前に
今、学ぶべきもっとも重要なスキルとは?」
(※1)
という記事で、スキルには2種類あると言っています。
一つは、語学力、統計など
仕事を効率よくおこなう「仕事直結型」(=Do型)スキル。
もう一方は、問題解決力やコミュニケーション能力などの
「個人がどうあるか」(=Be型)というスキルです。
そして、足元では後者が重視される風潮が加速している、
と主張しています。
皆さんは、「個人がどうあるか」というスキルと聞いて、
どのようなスキルを思い浮かべますか?
1.利益をもたらす「礼節」
米国ジョージタウン大学助教授の
クリスティーン・ポラス氏は著書
『Think CIVILITY「礼儀正しさ」
こそ最強の生存戦略である』の中で、
「礼節ある言動」とは、こころから相手を尊重し、
相手を丁寧に扱う言動としています。
そして、礼節が個人、組織の両方に
良い効果があることを説明しています。
礼儀正しさを備えた個人は、
- 仕事が得やすい
- 人脈が構築しやすい
- 出世する可能性が高まる
といったメリットを享受できます。
採用では、能力はまずまずでも
礼節ある人を選ぶ傾向がみられます。
例えば、
何度か合併をくりかえした
コンサルティング会社では、
多様な人々が一緒に働くようになったため、
種類の違う人とでも
垣根なくコミュニケーション出来る人を
採用・昇進させているそうです。
一方、礼儀を備えた会社は、
従業員が安心して働き、好業績をあげる
という効果が得られます。
コストコの創業者は、
頻繁に店舗に出向き、従業員に挨拶をしたり、
感謝の言葉をかけたりしたそうです。
結果としてコストコは
ウォルマートと比較して時給が65%高く、
従業員の離職率が高いことで
数億ドルのコスト削減にもつながっているというのです。
「最強の生存戦略」のタイトルがしめすとおり、
「礼節」は「お行儀」の枠の中には納まりきらず
「社会の中で企業」が、
「組織の中で個人」が生き延びる為の
今や大切なスキルになのです。
礼儀正しさは、リクルートワークス辰巳氏が示す
「個人がどうあるか」(=Be型)
というスキルの一つであることに
間違いはないでしょう。
2.今すぐはじめよう!3つの心がけ
働きかたが変わる今、
なにを学ぶべきかを見定めることは
簡単ではありません。
辰巳氏の記事では
「新しいことを始める時には、
何を学べばよいかがすぐ分かる」
の質問に対して
「とてもあてはまる」または「あてはまる」と答えた人は、
わずか28%に過ぎなかった、と報告しています。
そこで、
まずは「礼節アップ」に取り組むことを
お勧めいたします。
前述のとおり、
これは個人にも、企業業績にも寄与することが
クリスティーン・ポラス氏に
よって証明されています。
そして、まず心がけるべきこととして、
ポラス氏は以下3点を挙げています。
心がける3つの礼節
- 笑顔をたやさないこと
- 相手を尊重すること
- 人の話に耳を傾けること
いずれも、
費用もかからず、すぐにできることばかりですね。
同僚、上司だけでなく、
ご家族や、ご友人に向けても実践してください。
礼節は、礼節を生みます。
礼儀正しさの好循環を私たちからはじめましょう!
参考文献
※1 ビジネスインサイダーHP「英語、パソコン、資格……飛びつく前に今、学ぶべきもっとも重要なスキルとは」
https://www.businessinsider.jp/post-213864
クリスティーン・ポラス著 夏目大 訳『Think CIVILITY「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』東洋経済新報社2019年
投稿者プロフィール
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