根付くのか?「社内副業」制度

新型コロナウィルス感染拡大期の2020年4-5月

「副業」や「フリーランス」を考え始める人が

半年前と比較して大幅に増加していることが

アンケート調査で分かりました。

働き方の問題点を解消する、

または満足度を高める方法として

副業を挙げた人は66%、

フリーランスを挙げた人は46%に及びます。

同様に非営利活動(NPO)、起業も急増しており、

一つの会社に所属するワークスタイルへの

見直し気運の高まりが感じられます。

2020年6月首相官邸「未来投資」基礎資料P1http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai39/siryou1.pdf

背景にはリモートワークの進展等によって

就労時間が減少し、自分で使える余裕時間が

生み出されていることがあげられています。

そうしたなか、大手通信会社KDDIが

「社内副業」の制度を新たに採用しました。

1.KDDIの社内副業制度とは

KDDIの社内副業制度

目的

  • 社員の専門性の探索や習得を加速させる
  • 組織の壁を超えた人財シナジーに
    よるイノベーション創出の機会増加

対象

正社員約11,000名

(勤務地に関係なく応募可能/テレワークの活用)

条件

社員、所属部署、社内副業先部署の3者の合意

期間

最大6か月(社内副業先の業務も人事考課の対象)

参照元:KDDIのHP「イノベーション創出を加速する「社内副業制度」を開始」https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2020/06/26/4521.html

この制度下で

「au PAY アプリのスーパーアプリ化に向けた企画」

「地域ICT化応援部隊」などを含む

86業務がこの制度に募集をかけ、63名が

2020年6月より順次社内副業を開始しているそうです。

これは「兼務」に近く、

「副業」のイメージからは遠い

という印象を禁じえませんが、

こうした取り組みは「組織の壁を超えた~」の

目的には合致する取り組みです。

また、同じ部署に長期にわたり在籍していて、

「他の業務に興味あるものの、

異動願いを出すほどの勇気もない」

といった社員にとっては、

他の業務を経験する選択肢が増えるという点において、

よい取組であると思います。

この、社内副業制度はロート製薬、

パナソニック、丸紅などでも採用されている制度です。

社内副業利用拡大のポイントは?

「副業」の目的は

「収入を増やしたいから」

「1つの仕事だけでは収入が少なくて、

生活自体ができないから」

と経済的理由を挙げる人が91.9%を占めます。

一方で、「自分が活躍できる場を広げたいから」

と担当業務以外でのスキルアップを目的

と回答したのは23.9%にすぎず、

両者には大きな差異がみられます。

厚生労働省HP「副業・兼業の現状②」P9https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000361728.pdf

「副業」と「社内副業」とを

単純比較することは、

やや乱暴かもしれませんが、

本業以外の業務に取り組む

最大のインセンティブは

収入であることがデータからは明らかです。

「社内副業」の利用拡大は

収入増加につながるのか

が大きなポイントと予想されます。

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