新しい習慣を受け入れるインセンティブとは?~レジ袋有料化を前に考える~
2020年7月1日からプラスチック製
買い物袋(レジ袋)が有料化されます。
これは、
「小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化により容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令」
という長い名前の省令(66文字!)の
改正による制度変更です。
経済産業省では特設HPを設置、
環境への配慮を主眼に、
エコバック利用の習慣化を呼び掛けています。
1.プラスチック容器包装 最大消費国は第1位はアメリカ。では、第2位は?
環境省の「プラスチックを取り巻く国内外の状況」
(※1)
にはUNEPの資料を引用し、
「人口1人あたりプラスチック容器包装廃棄量」
のランキングが掲載されています。
それによれば
人口1人あたりプラスチック容器包装廃棄量
第1位 アメリカ
第2位 日本
第3位 EU28カ国
となっています。
日本は、世界ワースト2位。
このデータから、私たちが積極的に
プラスチック容器を削減する
必要性があることがわかります。
2.2020年7月1日からは何が変わる?
一部の環境に配慮した素材で
できたレジ袋を除き、原則として、
お店で商品を入れる手提げがついた
プラスチック製買い物袋はすべて有料になります。
一例をあげると、
セブン-イレブン・ジャパンは
サイズ小、中、大と弁当用の4種類は各3円、
特大サイズは5円として販売するそうです。
(※2)
このレジ袋は、
私たちが不要であれば、
購入しなくても構いません。
3.既に定着しつつある日本でのエコバッグ持参
ところで皆さんは、普段エコバッグをお使いですか?
日本トレンドリサーチのインターネット調査によれば、
「レジ袋が無料のお店でエコバッグを使う」
と答えた方は60%
「レジ袋が有料のお店でエコバッグを使う」
と答えた方は81%
となっており、エコバッグ持参は
(毎回の買い物に持参しないまでも)
相当数の人には既に定着済みの習慣といえるでしょう。
このことからレジ袋有料化は、
すでに定着している人への影響は小さく、
まだエコバック持参の習慣を
受け入れていない人に対しては
大きな変化をもたらすことが推察されます。
4.まだ受け入れていない方にも、エコバッグ持参を習慣化づけるには
レジ袋有料化は
プラスティック製買い物バッグの使用削減に
大きな引きがねになることは間違えありません。
しかし「数円なら払っても構わない」と
考える人が大勢になった場合は、
本来の目的「環境保全」を達成できません。
その場合は支払い負担以外の
インセンティブが必要になるでしょう。
それは、
ネガティブとポジティブの
両側からの意識付けにあると考えられます。
「エコバッグを持参しない = 環境意識の低い人」
「エコバッグをもっている人=良識ある市民」
という認識の広がりです。
似た事例として
「コロナ禍におけるマスク」がその例でしょう。
マスク着用は、
今や「マナー」の一つになっている感があります。
神経質な視線の昨今、
「マスクをしない=デリカシーのない人」と
認識されつつあります(過剰になると危険な風潮ですが)
今後世風を反映して、
センスの良いマイバッグを颯爽と持つ姿が
ファッション雑誌に載ることもありえるでしょう。
「ちょっとした自己肯定感」を実感させること・・・
これこそが、
有料化以外のマイバッグ持参推進への
隠れた鍵ではないでしょうか。
参考資料
※1 環境省 「プラスチックを取り巻く国内外の状況<第4回資料集>」
http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-04/y031204-s1.pdf
※2 共同通信「コンビニ3社、レジ袋3円」https://this.kiji.is/640924097431503969?c=113147194022725109
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